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温故創新

~地域産業に新しい価値を創造しよう!!~
こんなテーマで、Ⅰ・Tビルでセミナーが開催された。久しぶりに産業関係のセミナーに参加した。市内外企業、行政関係者も含め、約100人弱。内容的には大変良いセミナーだった。

主催は財団法人京都産業21『京都府北部産業技術支援センター・綾部』との連携も含め、綾部市で開催された。せっかくの機会。もっと多くの企業が参加して欲しかったが、PR不足か?

セミナーのはじめは、広島でマーケティングコンサルを経営し、中国地方の企業の中小企業支援を手がけている㈱クリエイティブ・ワイズ代表取締役社長の三宅曜子氏から「地域資源活用でビジネスチャンスを掴む!~新たな着眼点でスクラムを組むと成功が見える~と題して、中国地方の企業や地域のマーケティングアドバイス事例を紹介された。

テレビでも紹介されたことがある「広島県熊野町」の伝統工芸品「熊野筆」を習字の筆から化粧用の筆として蘇らせ世界ブランドにまで伸し上げた竹田ブラシの成功事例を紹介。

ブランド化するには、素材の素晴らしさとPRの媒体として、世界のトップクラスのメイクアップアーティストや世界的女優カトリーヌ・ド・ヌーブやエリザベス・テーラーにメイクブラシを使ってもらい評価を受けたことやターゲット層(若い女性や芸能関係者)が集まりそうな場所に販売コーナーを作ったこと(銀座和光、新宿高島屋、東京駅大丸など)など。

これまで、文具メーカーのOEMでしかなかった文具用筆は、中国の筆にシェアを奪われるだけだった伝統工芸品が一気に世界ブランドとして飛躍した背景には、高度に熟達した生産技術に付加価値を見出したこと。

それに派生して熊野筆産地全体が、「FU-DE」のジャパンブランドで世界に幅広い利用方法を提案し手行ったことによって相乗効果を生んでいる点だ。

綾部にも「黒谷和紙」や「野菜」「米」「精密機械(ネジ)」などもう一度地域資源を見直し、新たな創造をすることも必要なのだろう。

そのほか、新潟県燕・三条市の古くからあるフォーク・スプーンなど金属加工産業からIHクッキング用鍋の製造に取り組んだ事例。福山市の養命酒に匹敵する薬用酒「保命酒」を再発掘し地域資源として活用しようとする取り組み。萩焼の新たなマーケティング開発、愛媛県久万町の香味野菜を使ったマーケティング戦略研究など幾つかの地域資源企業化事業が紹介された。

それにしても、三宅先生は女性の繊細な感覚で企業のマーケティング戦略をアドバイスされている素晴らしい方であった。その後、平成19年度から始まった「地域資源活用プログラム事業」の説明を中小企業基盤整備機構のPM(プロジェクトマネージャー)の刀根さんからお聞きした。また、企業の経営革新事例を「枚岡合金工具㈱」社長の古芝さんが講演。バイタリティのある社長で意欲が感じ取れた。3S(整理・整頓・掃除)の徹底から時間管理、生産性の向上を成功させた「デジタルドルフィンズ」システムの紹介があった。


今、奥上林では「水源の里」で地域特産物開発が行われている。できることなら、世界的視点やオールジャパン視点での地域資源活用を、地域の人に任せるだけでなく、幾つかの成功体験を持つ専門アドバイザーの意見なども取り入れて展開して欲しい。
きっと素晴らしい地域資源の活かし方が見出せると思う。

行政や地域の発想だけではまだまだ井の中の蛙だと思う。マーケティングの専門家と一緒に考えれば、新しい創造が生まれると思う。

全国で1000件を採択すると言う「経済産業省中小企業地域資源活用プログラム」を行政や商工関係団体は企業に広くPRし、本事業を活用して、既存技術・製品に新たな価値を吹き込んで欲しい。綾部で5件は取り込んで欲しい。聞いたことを生かすも殺すも参加者次第。是非とも色々な企業・地域の資源を見直し、「あの企業にこのことを紹介したら取り組まないかなー」とか、「あの商品を工夫したらどうか」など思い付いたことを企業に提案して事業を取り込んでゆくことを願う。

私からも企業に働きかけようと思う。外は雪。じっくりと発想を廻らせるには有意義な時間だった。

温故創新=福田首相が年末に訪中した際孔子廟で揮毫した言葉だ。地域に埋もれている資源を再度光を当て、オールジャパンに創造してゆきたい。

by ando-ayabe | 2008-01-26 11:52 | 日々の生活  

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