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水源の里シンポジューム

10月18日
全国水源の里シンポジュームの開催。
会場はほぼ満席。900人近くの参加。北は北海道から南は九州鹿児島まで、全国の自治体首長、議員、職員に加えて、民間団体、地元住民が集い「いわゆる限界集落」(65歳以上の高齢化率が50パーセント以上の集落)綾部では、高齢化率60㌫以上+市街地中心部から25キロメートル以上離れている集落+集落戸数20戸未満を水源の里と定義)の活性化策について、「限界集落」研究の長野大学大野教授からの現状報告、今後の対策の講演が、そして、全国各地の限界集落のリーダーや綾部市企画部長によるそれぞれの地域の取り組みを披瀝。全体としてどうするのかについて、講演・シンポジュームが開催された。

「政治家は直感とひらめき」と言われる。
3期目の市長選挙で、四方現市長は、いわゆる限界集落を街宣した。住民からの悲鳴にもとれる痛切な思いを聞き、豪雪のその地を見て、3期目就任後直ちにその集落の今後について検討に入った。撤退か、地域を再度活性化させるのかについて地元住民との膝ずめ談義を繰り返し、地域活性化策について取りまとめ、本年から事業を開始した。事業着手にあたり時限立法の「水源の里条例」を制定した。まだ着手したばかりだ。

国でも手付かずの状態であった。
水源の里の取り組みは格好のマスコミ取材対象に。新聞テレビで取り上げられた。
能登半島では村ごと産業廃棄物業者に売り、廃村にしようとする話題も対比されるカタチで取り上げられた。

これまで、限界集落は、散発的に話題となったが、このように大々的に火をつけたのは四方市長の政治家としての手腕だ。

以前から「環境税」「水源税」と言いながら、国も大多数の府県も手をつけなかった。
一方で、地球温暖化は猛烈なスピードで進行し環境破壊は日に日に深刻になっている。

大都会中心施策によって地方とりわけ生活困難地域の高齢化過疎化はきわめて深刻だ。
それでも、そんな集落でも、そこに住む住民たちによって住み良い村づくりをしているところもある。徳島県上勝町の「葉っぱビジネス」はあまりにも有名。

しかし大多数の集落は、まさに消滅の危機に瀕している。

今後の施策としてパネラーや講演者は異口同音に①そこに住む人々がまず集落をどうするのか考え行動すること。②国や道府県、市町村など行政の理解と施策化③森林税など環境保全のための特定財源確保・国民の理解と訴えた。

国が豊だった頃、山村振興法や農林業補助事業などによって、自治体は山村地域の産業・文化生活環境の施策を実施してきた。

私も20年前農林課企画係長だった頃、府綾部農業改良普及所の乾女史と共に、奥上林の各集落活性化のため集落の特産物生産や地域おこし施策に関する活動を進めたことがある。毎日毎晩集落に入り座談会を繰り返した。

「トータルライフ向上対策事業」農林水産省の事業だった。古屋へ入り、栃の実採取に村のお母さんたちと山に入ったこともある。今の農産物流通など川下の話しをしに各集落へ行ったこともある。

各集落の地域資源の状況と活性化方策を一冊の冊子にした。府市が一体となって取り組んだ。
そして最終仕上げは、睦寄町にある「ふるさと味あやべ工房」の建設だった。
農産加工によってこの地域を活性化しようとの想いだった。田中恒夫先生は当時福知山高校三和分校を退職されたところだった。先生にお願いをして加工技術の指導に当たっていただいた。

近年は、味工房は緑土の運営に変わった。

残念ながら、当時は、まだ地域の皆さんの「息」が一つにならず、産業として残すことが出来なかった。

今度こそ、産業として残るものに仕上げて欲しい。それぞれの村は、50年前のような村には戻らないかも判らないが、「適疎」な村として存続できるよう国・行政も考えなければならないだろう。

エジソンは1パーセントのひらめきと99パーセントの地道な努力と言った。
課題は山積している。関わる全ての人々の、引き続き地道な努力の継続の積み重ねによって新しいひらめきも生まれる。

by ando-ayabe | 2007-10-19 10:35 | 日々の生活  

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