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市議会議員特別セミナー(第2講座)

林宜嗣教授の講演に続いて、東京大学工学部西村幸夫教授の講演

「住民視点から見た「調和」のある都市再生」と題して、日本各地にある歴史ある公園・建造物の現在の状況をパワーポイントで説明。

まず第一に上野公園の由来。から、最初に整備された公園の主旨が現代にまったく生かされていない点を説明。上野公園の整備コンセプトに基づいた景観形成を図るべきであったと説明した。
 元々上野公園は、江戸時代に「京の都の風景」をイメージして作られたテーマパークであったと。不忍池は、琵琶湖を模して作られ、清水寺の舞台も竹生島の唐門も作られていた。と説明。しかし、明治時代になって、その景観をさえぎる樹木を京成電鉄が植栽し、今や当時の景観はまったくない。

また、上野公園の西郷隆盛像近辺の戦後間もない整備も、今やその当時の整備の面影もなくなっており、その時々の行政関係者の思いつきによって整備が進められ、住民の意向や歴史的価値に対する照査もしないまま、一定のルール(例えば都市計画)に基づいて画一的に整備や開発が進められてしまっていると指摘された。

そして、本年度に世界遺産に認定された、「石見銀山」に関する住民主体の保存・活用の取り組み事例を説明され、住民が主体となった取り組みを行政が時間をかけて、誘導・支援することが重要と締めくくられた。

先生の話から、私市円山古墳の整備を思い出していた。高速道路の工法を変更し、開削から隧道(トンネル)にかえ、工費は6億円余分にかかったものの、私市円山古墳の上に立てば、中丹地域の古代の空気を感じることが出来る。

大和朝廷畿内説を裏付けるような、大きなスケールだ。私市円山古墳をもう一度見直したい。

西村先生の話は、学者らしい話で、議会関係者としてどう生かすのか、考えを要する話だった。
しかし、基本的には、地域活性化に手法は色々あるけれど、地域の資源(生活・産物・歴史等々)をどう生かすのか。それも、住民視点に立って生かすことがまずは基本と言ったことを示唆する講義であった。

講義終了後、夕食をかねた、市議同士の交流会が開催された。多くの市会議員さんと交流が出来た。過日総務建設教育常任委員会で視察した上越市の矢野学市議会議員さん、綾バスの視察に来たと言っておられた岡山県備前市議会議員さん。私を40歳代に見えると言ってくれた泉大津市の若手市議会議員さん(写真)たち、同じテーブルだった愛知県豊川市の女性市議会議員さん。福知山市出身だと言ってお話しできた宝塚市の北川市議さん、塩見麻理子議員の紹介で、関西若手議員連盟の奈良県葛城市議の山ちゃん(山下市議)。市議会議員特別セミナー(第2講座)_f0111128_18425146.jpg

夕食後は、その山ちゃん、塩見市議さんの友人の関西若手議員連盟の野洲市の内山市議(先ごろ視察した中主農業法人を案内してもらった)、守山市の森市議さんと大津市内で交流することが出来た。「所変われば品変わる」議員活動も選挙活動も百人百様。色々なアイデアを頂戴した。10時30分研修所へ。

全国の市議会議員さんとの交流も出来るこの研修会は大きな収穫だ。


【西村 幸夫(にしむら ゆきお)氏:東京大学工学部教授】
 1952年福岡市生まれ。東京大学工学部都市工学科卒業。同大学院修了。1996年東京大学教授。専門は都市計画。工学博士。1996年日本建築学会賞(論文)、2005年日本都市計画学会論文賞受賞。
『歴史を生かしたまちづくり~英国シビック・デザイン運動から(古今書院1993年)』、『町並みまちづくり物語(古今書院1997年)』、『環境保全と景観創造これからの都市風景へ向けて(鹿島出版会1997年)』、『西村幸夫都市論ノート(鹿島出版会2000年)』、『都市保全計画(東大出版会2004年)』、『都市美(編著、学芸出版社2005年)』、『路地からのまちづくり(編著、学芸出版社2006年)』、『まちづくり学(朝倉書店2007年)』など著書多数。

by ando-ayabe | 2007-08-11 09:19 | 議員政治活動  

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