市議会議員特別セミナー(第1講座)

今、地方自治体は、地方分権がますます推進される中で、これまで以上に「独自性」と「自立性」「自己責任」が求められている。

市議会議員は、今日の地方分権の流れを感覚的でなく理論的にも理解し、地方自治体経営の舵取りをしっかりとしなければならない。その責任がある。

議員は、地域や市民の要望・身近な政策実現を行政に求め、また、行政のチェック機能としての役割も大変重要な役割だが、一方、今後大きく変わる自治体経営、府・国との関係など、地方分権政策推進のため、政治家としてしっかりとした考えを持ち、市民・行政を先導してゆかなければならない役割も持っている。

創政会では、大きく変貌するであろう地方分権時代に対応できる綾部市行政運営をしっかりと推進できるようにするためにも、議員個々の資質の向上を図るため、8月9日10日の2日間。全国市町村国際文化研修所主催の「平成19年度第1回市議会議員特別セミナー」に出席した。

この、全国市町村国際文化研修所。JAM・国際文化アカデミーという。
総務省所管の財団法人「全国市町村振興協会」の運営施設だが、相当な運営管理資金がかかっているものと思われる。
滋賀県大津市唐崎にこんな素晴らしい研修施設があることを知らなかった。
自治体職員専門の研修施設ということで、年間88回の研修を行っているとのこと。

研修コースは、政策実務研修、国際文化系研修(国際化への対応の研修体系)、特別セミナーとして、議員、首長等の研修など、今日的課題に対応する研修体系となっている。

綾部市の職員は、この施設の政策形成研修などを受講しているのだろうか。研修参加費も割安だし、民間に比べて恵まれているこの公務研修施設。せっかくの施設を有効利用しない手はないと思うのだが。

6月議会でも質問したが、これから地方分権が進み、基礎自治体と言われる市町村職員の政策形成能力や、都市経営能力を養っておかないと、10年後20年後の職員の資質・綾部行政運営が課題となることは容易に推測できる。

話は戻すが、議会議員も資質UPを目指して、創政会では、議会事務局から回ってきたこの研修案内を会派で参加しようと相談。当日、木下幹事長は公務で欠席だったが、田中正幸市議、塩見麻理子市議、高倉武夫市議、そして私の4名が出席した。
北は北海道苫小牧市議会から、南は、佐賀県佐賀市議会まで、300名の市議が参加していた。

 第1日目第1講座は、地方制度調査会の委員や政府税制調査会委員を歴任し、地方税財政学の今の流れを作っている関西学院大学教授林宜嗣(はやしよしつぐ)先生
テーマは、「地域再生のための真の三位一体改革」
 講義の流れは、

①地方の格差問題夕張市と東京都杉並区との行政サービスの比較
②格差拡大感と納税制度や法人2税の見直しの考え方。
③将来人口予測と地方の危機(自然減と社会減のダブルパンチの地方)綾部でも2020年には27千人の都市に。
④中央集権的公共投資による地域活性化の限界
⑤地域の事業効果を高める公共投資のあり方。
⑥地域リーダーとしての自治体の役割=地方が創意でその地方の設計図を描くそして自治体経営のリーダーとなる。
⑦地方分権改革のNEXT STAGE
・地方分権推進のためには、税制自体を地方の特色を生かしたものにするべきで、国税は義務の関係だが、地方税は応益負担という視点に立って考えるべき。
  
・これの考えは、納税しないものにはサービス供給しないと言う考え方。その考えに立てば、地方税法で、国が地方税の課税内容や率を決めることはなくなり、地方独自の税制を考えればよいことになる。課税・徴税も基礎自治体が独自で考えることとなる。国税三税の32パーセントは地方交付税にという発想もやめ、「財政調整税」として別途徴税することになる。
 
・徴収も、何も国や自治体の専売特許のようにせず、民間委託して、不公平が発生しないようしっかりと、滞納処分も含め、徴税することにすればよい。

・「国と地方の事務配分」は、自治事務と言えども国が企画し、地方が執行していた。(これは、補助金制度のもとで、国が補助金を手放さなかったり、規制制度を国が決め、国の関与を温存してきた。地方も頼っていた。)その結果、制度の失敗の際の責任の所在は不明確で、規制・制度を作った国の責任にもなるし、実行してきた地方の責任とも言える。誰も責任を取らないことが今日まで生まれていた。

・しかし、これからの望ましい姿は、地方が企画立案から執行までを一貫して行い、責任も地方が取ることになるだろう。

今日までの法令や条例・行政指導に基づく上意下達の「常識」はこれからどんどん変わってゆく。その発想を職員も議員も市民も持たなければ、新しい地方分権時代を迎えることが出来ない。

第2期地方分権改革推進協議会・第28次地方制度調査会・政府税制調査会など国・地方に関する国の諮問機関は国・地方の関係を抜本的に見直す方向で議論が進んでゆくと理解した。

先ごろの、地方交付税を見ても、すでに3億円の減額。今後、地方交付税制度が、今回の参議院議員選挙の自由民主党の敗北によってその流れが緩む心配もあるが、民主党主導によって再び借金破産国家にならないよう、政争の道具にせず、国地方を通じた持続可能な改革を実行して欲しい。

【第1日目第1講座の講師】
林  宜嗣(はやし よしつぐ)氏:関西学院大学教授
 1951年大阪市生まれ。1978年関西学院大学大学院博士課程修了。卒業後、関西学院大学経済学部に就職。1986年経済学博士学位取得。1988年関西学院大学経済学部教授。1992~1993年London School of Economics客員研究員。1994~1996年経済企画庁経済研究所客員主任研究官兼任。2001年から2004年まで関西学院大学経済学部学部長。現在、政府税制調査会委員、国土審議会委員等。
『現代財政の再配分構造(有斐閣1987年)』、『地方分権の経済学(日本評論者1995年)』、『地方財政(有斐閣1999年)』、『新・地方分権の経済学(日本評論者2006年)』など著書多数。





 
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by ando-ayabe | 2007-08-10 22:18 | 議員政治活動 | Trackback | Comments(0)  

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