クリミア戦争   

2014年 06月 07日


文芸春秋の巻頭言は何時も含蓄がある。2014年5月号を読み返してみた。タイトルは、「クリミア戦争を覚えているか」評論家の立花隆氏だ。

クリミアの編入問題にからんで、単にロシアのプーチンが悪者のように世界が視ているが、実はもっと根が深く、単純にロシア悪者では片付かない。クリミアには100年以上の民族の記憶が詰まっていることを知るべきだとまとめられている。

つまり、ウクライナは、ロシア革命以後に生まれた国で、クリミア問題は帝政ロシアの時代からあり、ロシア皇帝エカテリナ2世がポチョムキン大将の協力のもとタタール系クリミア汗国を滅ぼして1780年にロシアに併合している。

その後、1853年 クリミア戦争が勃発している。その当時日本はと言えば、日米和親条約の勅許を巡って、攘夷と佐幕の争いの時代で、クリミア戦争など知る由も無い時代。

クリミア戦争の発端は、第1次世界大戦の前哨戦と言うべき世界大戦として位置づけられる。クリミア戦争は、オスマントルコとロシアの戦争だがロシアが戦争を仕掛けたその理由は、ギリシャ正教の庇護者を持って任じているロシアが、当時トルコ帝国の一部であったキリスト教の聖地エルサレムの、特にゴルゴタの丘聖墳墓教会はギリシャ正教の管轄権であったものをフランスの求めに応じてトルコがカトリックに譲り渡したことに異を唱えたのがその理由と言う。(つまりは、カトリックとギリシャ正教がキリストの聖地の管轄権をかけて争った宗教戦争ではないか。)クリミア戦争では、ロシアが、イギリスフランスなど欧州連合に大敗している。第1次世界大戦から第2次世界大戦へと帝国主義的侵略戦争は継続した。その後クリミアは東欧諸国の傘下に入ったが、ソ連崩壊後ウクライナの一部となっている。ロシアにしてみれば、1780年に遡れば、ロシアの一部であったもの。

「双方に言い分はある。片方聞いて沙汰するな」と言うところか。
イスラエル建国だって同様の問題をはらんでいる。もっともっと根は深い。「映画ベンハ―」の時代までさかのぼる。パレスティナの民は、突然にヨーロッパ諸国の勝手な戦後処理で国を追われたのだから、身命を賭して、祖国を奪還することは心情的に理解できるが、それを言えば、ユダヤの民も同じ言い分がある。2000年以上さかのぼることになる。

さて、同じ年の3月号の文春巻頭言には、また面白いことが書かれている。
著者である立花隆氏が、埼玉県の稲荷山古墳を見に行って思ったことだ。「古代史の中の埼玉」日本で一番有名な鉄拳が出土されたのだが、雄略天皇の時代に、関東には朝鮮系の渡来帰化人が広く住んでいたことを徳富蘇峰が記している。「武蔵野は往古、朝鮮人の移住地であった。此れは武蔵野に限らず関東一般概ね然りだ」
 前方後円墳の将軍山古墳からは鉄剣の出土と共に、高句麗で製作された馬具や馬冑が多数出土している。埼玉には高麗神社があり、雄略天皇の朝鮮出兵など関東方面の豪族が駆り出されたと出土品が物語っていると言う。当時鉄の製造は日本ではなく、中国朝鮮から技術や原料が持ち込まれたことは間違いないと。で、当の立花氏は、このことから、大和政権誕生後西日本が政治の中心と歴史は注目されるが、そうではなく、古代から関東にも有力な地方豪族が存在したことを示しているとまとめている。

 読売新聞では数日前、日韓双方の新聞社が調したアンケート結果を掲載していた。日韓双方の国が嫌いとする国民が70パーセントや80パーセントもあると書いていた。立花氏の巻頭言を読み返して、もう一度、日本の古来を辿ってみて、日本と朝鮮とのつながりを思う時、お互いの歴史をもっと理解し合う姿勢が今こそ必要なのではないだろうか。天皇陛下も祖先は、新羅の姫様と結婚していると言われた。朝鮮の百済には日本府もあって新羅との侵略戦争には共に助け合って戦っている。朝鮮と我が国は本当に近いつながりがあった。歴史の過程では、元寇で征服された朝鮮の民が兵として九州に押し寄せたり、豊臣秀吉の朝鮮出兵もあった。日清戦争も朝鮮併合も色々歴史の過程では双方の加害者被害者の気持ちがあるのは理解できるが、DNAを2000年遡れば日本人も朝鮮人も「兄弟親子」ではないか。クリミア紛争と異なり、宗教上の争いではないのだから、もう少し歴史を学んで理解し合うことが出来ないか。教育の場で、古代からの日朝両国の歴史文化の流れを学べば、国際理解につながるのではないかと思う。

今回3期目の選挙で、「国際理解」教育の重要性を訴える所以である。













[PR]

by ando-ayabe | 2014-06-07 16:51 | 日々の生活 | Trackback | Comments(0)

トラックバックURL : http://andoayabe.exblog.jp/tb/22247283
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]

<< ボランティアフェスティバル 間に合う人 >>